リターンと対数リターンの違い

リターンは、投資した金額に対する利益や損失の割合を表します。たとえば、10,000ドルを投資して12,000ドルになった場合、リターンは(12,000 – 10,000)/ 10,000 = 0.2、つまり20%です。

一方、対数リターンは、リターンに自然対数(ln)を適用した値です。
対数リターンは、リターンの変動を対数スケールで表現するため、変動の大きさや相対的な比較が容易になります。

対数リターンは ln(終価 / 初期価格)で計算します。
例えば、10,000ドルを投資して1年後に12,000ドルになった場合、ログリターンは ln(12,000 / 10,000) ≈ 0.182、つまり18.2%です。

対数リターンは、リターンの対数変換を行うことで、変動の相対的な比較や統計的な解析が容易になります。時間の経過に関係なく、異なる期間のリターンを比較することも可能だということです。例えば、1年間のリターンが10%である投資と、3年間のリターンが30%である投資を比較する場合、通常のリターンでは期間が異なるため比較が難しいですが、対数リターンを使用すると、それぞれの投資の対数リターンを比較できます。
また、複数期間のリターンを合算する際にも便利です。対数変換によって、リターンの加法性が実現され、複数期間のリターンを単純に合算することができます。

さらに、対数リターンは、リターンの統計的性質を解析する際にも有用です。対数リターンは一般的に正規分布に近い分布を持ち、統計的手法の適用が容易になります。例えば、対数リターンを用いてリターンの平均値や標準偏差を計算し、投資のリスクとリターンの関係を評価することができます。

したがって、対数リターンはリターンの変動の解析や比較において役立つツールです。

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