様々な著書でも紹介されている通り、投資に精通しているプロの機関投資家であっても、その60%は市場平均に勝てていないと言われています。投資に関する専門知識があり、いち早く情報を手に入れられるであろうプロでさえも、そうした状況です。
したがって、一般のサラリーマンが利益を得る適切な銘柄選択や買い時を計るのは難しいと容易に想像できます。では、自分ができることは何だろう?と考えると、自己資産の配分に着目することになります。
イェール大学のロジャー・イボットソン教授の研究によれば、投資リターンの90%以上は資産配分からもたらされ、銘柄選択やマーケット・タイミングの効果は副次的なものであるとされています。
これは「敗者のゲーム」という著書からの引用です。ある1つの研究ではありますが、学者の中には銘柄選択や投資商品の売買タイミングは投資リターンに大きく影響しないと考えられているようです。
では、どのような資産配分にすべきかですが、30代の私が実践したい資産配分は、現金:10%、投資信託/ETF:90%、不動産:0%、オルタナティブ*:0%としたいと思っています。
*オルタナティブとは上場株式や債券といった伝統的資産と呼ばれるもの以外の新しい投資対象や投資手法を指します。農産物・鉱物、不動産、オプション、スワップなどです。
現金の10%は、生活防衛資金といつでも使えるお金として考えています。サラリーマンだと月々安定した給料がもらえるので、現金をたくさん保有する必要はないと思っており、なるべく現金として持つのではなく、投資商品として保有したいと考えています。
不動産とオルタナティブを0%としたのは、私がこれらに関する知識が不足しているためです。将来的に学習を進め、投資する価値があると感じた場合には、ポートフォリオに含るかもしれません。しかし、「ルールのわからないゲームには参加しない」というのが、お金を失わない鉄則だと思うので、不動産とオルタナティブの資産配分は現時点では0%としています。
次に、投資信託/ETFの90%の内訳について考えましょう。私は基本的に個別株を保有する予定はないため、投資信託とETFの投資先を考えます。アセットアロケーションの最適化(ロバート・カーバー著)では、株式と債券の比率を90%:10%とすることで、リスクを抑えた投資リターンを得られるとされています。この比率を基に、世界全体に分散した株式と債券の投資信託をそれぞれ選んでいきたいと思います。具体的に保有している投資商品の紹介も含めて、次の記事で考えをまとめたいと思います。
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