こんにちは、Switch0923です。
投資においてコストを抑えることの重要性は、「アセットアロケーションの最適化」や「投資の大原則」など、多くの書籍で説かれています。
今回は、投資信託を保有することでかかる費用について詳しく調べ、どのように確認すればよいのかを整理します。
投資信託を保有すると必要なコストは?
投資信託では、運用成績や方針、保有コストをまとめた運用報告書が毎年発行されます。
運用報告書は、投資信託ごとに発行時期が異なりますが、保有することでかかる費用の詳細もここに記載されています。
実例:eMAXIS Slim 全世界株式「オールカントリー」(オルカン)
私も実際に保有しているオルカンの運用報告書を確認してみます。
- 運用報告書の確認方法:ネット検索から「投資信託商品名 運用報告書」と入力
- オルカンの場合は、三菱UFJ国際投信株式会社のホームページで確認可能
2025年4月25日作成の運用報告書では、オルカンの保有コストは年率0.094%です。
期中の平均基準価額が25,844円/1万口なので、1万口あたり約24円のコストがかかります。
保有コストの内訳
- 信託報酬:ファンドの運用、受託会社への運用指図、顧客口座の管理などにかかる対価
- 売買委託手数料:有価証券等の売買時に取引した証券会社等に支払われる手数料
- 有価証券取引税:有価証券の取引の都度発生する取引に関する税金
- その他費用:保管費用、監査費用、信託事務の処理等に要するその他諸費用
私はSBI証券、楽天証券、マネックス証券を使用していますが、各証券会社のホームページから確認できるコストは信託報酬のみでした。
売買委託手数料、有価証券取引税、その他費用は隠れコストと呼ばれ、運用報告書で確認する必要があります。
投資信託を比較する際は、信託報酬だけでなく隠れコストも必ずチェックしましょう。
コストが投資パフォーマンスに大きな差を生む
投資で個人がコントロールできるのは、「投資にかかるコストを抑えること」です。
将来の成績は誰にも分りません。だからこそ、明示されているコストを抑えることが、投資成績を向上させる有効な方法の1つです。コンマ数パーセントの話に見えますが、投資経過年数を見ると大きな差になります。
コスト差が複利に与える影響の例
具体的に保有コストの違いが与える投資成績の差異を見てみましょう。架空のA投資信託とB投資信託を設定して、下記投資条件をもとに検討してみました。
- 毎月3万円分を購入
- 年利は安定的に3%
- 運用年数は15年
- A投資信託の保有コストは0.094% (オルカンと同程度)
- B投資信託の保有コストは1.00% (アクティブファンド並み)
この条件をもって簡易計算を行うと以下グラフのようになります。

15年後の投資成績の差は¥583,954となりました。

- 保有コストが大きいと、複利に回せる金額が減少し、最終的な投資成績も低下します。
- コスト差は一見小さくても、15年で雪だるま式に影響が大きくなります。
つまり、コツコツ投資しても、保有コストが高いと最終的な成果に大きな差が出るということです。
グラフにするとコストが与える投資への影響がどれほどのものかよくわかりますね。投資にかかるコストを抑えることは非常に大切ですね。
注意点ですが、今回は検討、比較をしやすいように保有コスト以外の条件を同じとしました。実際には投資信託ごとに内容、運用方針、成績も異なります。したがってこれはあくまでコスト差が与える影響を考える一例であると捉えてください。
- 投資信託の保有コストは、信託報酬だけでなく隠れコストも含めて確認すること
- コスト差は長期運用で複利効果に大きな影響を与える
- 投資信託の内容や運用方針に加えて、保有コストも重要な判断材料
今回は投資信託の保有コストとその具体例を紹介しました。
今後もわかりやすく有益な投資情報を提供するように努めます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
以上、Switch0923でした。