世界産業分類基準(GICS)

株式・投資信託

こんにちは、Switch0923です。

投資において、適切な分散は成功の鍵です。国別や業種別など、分散投資の考え方はさまざまありますが、今回はその中でも業種別に焦点を当ててみたいと思います。

世界産業分類基準とは

業種分類の国際標準として広く利用されているのはGICSです。GICSは「世界産業分類基準(Global Industry Classification Standard)」の略称で、世界の産業を11のセクターに分類しています。

  • エネルギー
  • 素材 
  • 資本財
  • 一般消費財
  • 生活必需品
  • ヘルスケア
  • 金融
  • 情報技術
  • 電機通信
  • 公益事業
  • 不動産

の11種類です。

各セクターの概要と景気敏感性

GICSの11セクターの概要と景気敏感性について説明します。

エネルギー

石油、天然ガスの採掘、精製、販売などの事業を行う企業がこのカテゴリに該当します。例えば、エクソンモービルやシェブロンなどです。

エネルギーセクターは景気変動に比較的敏感であり、需要の変化や原油価格の変動によって影響を受けます。景気の好調期にはエネルギー需要が増加し、逆に景気後退期には需要が減少する傾向があります。

素材

鉄鋼、化学物質、林業など、さまざまな原材料および製品の製造や供給を行う企業が含まれます。例えば、トヨタ自動車やファナックなどです。

素材セクターは景気の変動によって異なる影響を受けます。景気の拡大期には建設や製造業が活況を呈し、それに伴って素材の需要も増加します。一方で景気後退期には需要が減少する傾向があります。

資本財

産業用機械、設備、および製品の製造や供給を行う企業が含まれます。キヤノン、三菱重工などがそれにあたります。

資本財セクターは景気の変動に比較的敏感であり、企業の投資計画に直接影響を与えます。景気後退期には企業の設備投資が減少するため、資本財セクターも影響を受けることがあります。

一般消費財

日常的に使われる製品やサービスを提供する企業が含まれます。ユニクロや日清食品などが該当します。

一般消費財セクターは景気変動に比較的影響を受けます。景気の好調期には消費者の信頼感が高まり、一般消費財の需要が増加する傾向があります。

生活必需品

日用品や消費者製品を提供する企業が含まれます。資生堂、コカ・コーラなどが該当します。

生活必需品セクターは景気変動に対して比較的強い抵抗力を持っています。これは、基本的な消費ニーズに関連する製品やサービスの需要が一定であり、景気の変動に比較的影響を受けにくいためです。

ヘルスケア

医薬品、医療機器、健康サービスを提供する企業が含まれます。武田薬品工業やアストラゼネカなどです。

ヘルスケアセクターは基本的な医療ニーズに関連しているため、景気変動に比較的影響を受けにくいと考えられています。

金融

銀行、保険、証券などの金融サービスを提供する企業が含まれます。三菱UFJフィナンシャル・グループなどが該当します。

金融セクターは景気変動に非常に敏感であり、金融市場の安定性と密接に関連しています。景気後退期には貸し手がリスクを避ける傾向があるため、金融セクターは影響を受けやすいです。

情報技術

ソフトウェア、ハードウェア、および情報技術サービスを提供する企業が含まれます。ソニーグループやアップルなどです。

情報技術セクターはイノベーションと新技術への投資が主な動機ですが、景気変動によって需要が変化することがあります。

電機通信

通信機器、ネットワーク、電子機器などを提供する企業が含まれます。NTT、ソフトバンクなどです。

電機通信セクターは経済の基盤として重要であり、需要の変化には比較的強い影響を受けますが、長期的な成長傾向があります。

公益事業

電力、水道、ガスなどの公益事業サービスを提供する企業が含まれます。東京電力や関西電力などインフラストラクチャー系企業を指します。

公益事業セクターは安定した需要が見込まれるため、景気変動に対して比較的強い抵抗力を持っています。

不動産

土地、建物、不動産開発などの不動産に関連する事業を行う企業が含まれます。三井不動産や東急不動産などになります。

不動産セクターは住宅需要や商業需要に依存しており、景気変動に比較的敏感です。

セクターの特徴を考えてポートフォリオを調整する

セクターはそれぞれ異なる景気の影響を受けますが、投資家はこれらの影響を考慮してポートフォリオを構築することが重要です。上記で示したように景気に敏感なセクターにばかりに投資してしまうと景気がいい時は上り調子かもしれませんが、不景気になると資産価値は下降します。そこに不景気になっても影響を受けにくいセクターを加えることで資産の乱高下を緩やかにすることができます。セクターの重み付けを調整し、リスクを分散させることで、投資リターンの安定化を図ることができます。

GICSは投資家にとって重要な指標であり、投資ポートフォリオの構築において役立つ情報を提供しています。景気の変動によってセクターのパフォーマンスが異なることを考慮しながら、リスク管理と収益性の両面をバランスよく考えてポートフォリオを検討してみましょう。今後の経済状況やマーケットの変動にも注意しながら、投資戦略を継続的に見直すことが重要です。

以上、簡単ですがGICSについて纏めてみました。
引き続き投資に役立つ内容をまとめて発信していきたいと思います。

Switch0923でした。

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